2013年04月10日

ガソリン生活

伊坂幸太郎『ガソリン生活』(朝日新聞出版)

ガソリン生活 [単行本] / 伊坂 幸太郎 (著); 朝日新聞出版 (刊)

この小説の主人公は車。
緑色のデミオです。

車が主人公、語り部となって、
ストーリーは進展します。

一応、車の持ち主一家に起こる様々な事件が、
ミステリー仕立てになっているのですが、
このちょっと変わった視点でながめると
人間の生き様というのは、
ユーモラスで奇妙なことが多い
ということが、わかってくる。

車が主人公といえば、
筒井康隆先生の「お紺昇天」という傑作があるが、
あのシニカルさに比べて、
とても楽しい読み物になっている。

車の存在自体が、
時代とともに変わっているせいかしら・・・
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2013年03月27日

一路

浅田次郎『一路』(上下/中央公論新社)

一路(上) [単行本] / 浅田 次郎 (著); 中央公論新社 (刊) 一路(下) [単行本] / 浅田 次郎 (著); 中央公論新社 (刊)

時代小説を読んでいて、
常々気になっていたこと。

武士の俸給と、
それに見合う仕事について。

関ヶ原、大坂冬・夏の陣以来、約300年も、
戦もないのに代々俸給をもらい、
武士としての仕事らしい仕事もせずに、
生き暮らしていて、
君たちは何も思わないのか!
ということ。

武士が主人公というだけで、
この辺の事情をすっとばして書かれているのが、
どうにもわからん。

ということで、今回は、
武士とは何か!
武士の面目について
がわかる楽しい小説をご紹介。

父の突然の死後。
国元から江戸までの参勤交代の
支持責任者にされた男の奮闘記。

お家騒動や道中助六までひっくるめての上下巻。

あっという間に読み切れます。
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2013年03月13日

ブギウギ

板東眞砂子『ブギウギ(敗戦前/敗戦後)』(角川文庫)

ブギウギ    敗戦前 (角川文庫) [文庫] / 坂東 眞砂子 (著); 角川書店(角川グループパブリッシング) (刊) ブギウギ    敗戦後 (角川文庫) [文庫] / 坂東 眞砂子 (著); 角川書店(角川グループパブリッシング) (刊)

板東さんの本は、ついつい読み外してしまうのです。
主人公の女性たちに、
オット〜と身を引いている自分がいます。
偏見でしょうか?

この本、ミステリー仕立てで、
大戦前と大戦後の箱根で起きた
Uボート乗組員の殺人事件をめぐるストーリー。

日本に逃げこんだナチ党員の姿、
外国人に対する日本人の戦前・戦後の違い。
戦後の外国人といえば、
GHQのアメリカ人の登場と。
とっても賑やかなお話で、
どこをとっても面白いのですが・・・・・・

実は、主人公は違うのです。
箱根の旅館の女中、
何の取り柄もない平凡な女性、安西リツ。

この女性の生き様、
女中から、Uボートの乗組員の子を産み、
戦後はアメリカ人のハウスメイドから、
ジャズ喫茶のヴォーカル歌手になる。

ほとんど何も考えない、
ただ社会の中に流れていくだけなのに、
なぜか少しずつ変化し、生き、強くなる女性。

いつも、その廻りには、
殺人事件を解決するための人々がとりまいている……

読後感といえば、どうも、
2編の小説を読まされているような気がするのですが…
この安西リツという女性だけが、
記憶の中に残ってしまうのです。

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