2013年02月28日

名探偵クマグスの冒険

東郷隆『名探偵クマグスの冒険』(静山社文庫)

名探偵クマグスの冒険 (静山社文庫) [文庫] / 東郷 隆 (著); 静山社 (刊)

シャーロック・ホームズが活躍した頃
のロンドンって、なにか、
猥雑であやしげな暗い街
のイメージってありません?

産業革命による新しい時代の反面で、
人々は、おどろおどろした
伝説や神話の中で生きている。

その時代、日本人の博物学者にして、
奇人・南方熊楠が、ロンドンにいた。

熊楠自身とほうもない面白い人物なのに、
このあやしげな時代の
フィクションの主人公にしてしまおう
とする作者の豪腕に脱帽です。

細かいディテールに
きちっと史実を加えて
ウソっぽく読まれない工夫が、お上手。

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2013年02月05日

世界記憶コンクール

三木笙子『世界記憶コンクール』(創元推理文庫)

世界記憶コンクール (創元推理文庫) [文庫] / 三木 笙子 (著); 東京創元社 (刊)

またまた創元社で、またまた文庫ですみません。
ハードカバーが最近不作続きで、
ちょっと昔の作品を見直してます。

舞台は明治、
雑誌記者でホームズ役の里見と
イケメンの美人画家でワトソン役の有村礼
のコンビで繰り広げるお楽しみ探偵帳という仕立て。

普通にみると少年少女向けネット小説
といった感じなのだが、
意外と凝った出来で気に入りました。

明治という時代背景をよく感じている──
主人公をとりまく登場人物のバラエティが豊か──
ホームズ物でちゃんとまとまっている──
文章構成が一見バラバラなのに、
読み進めるときれいに完結している──

その上、短編集なのだから、
この先とっても楽しみだ。

な〜んてネ。
偉そうなこといって・・・ゴメン。

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2013年01月10日

感謝祭は邪魔だらけ

クリスタ・デイヴィス『感謝祭は邪魔だらけ』(創元推理文庫)

感謝祭は邪魔だらけ (創元推理文庫) [文庫] / クリスタ・デイヴィス (著); 島村 浩子 (翻訳); 東京創元社 (刊)

なんか、コージー・ミステリーが
大流行の傾向を見せてきた様子。

いろんなシリーズものが勢揃いして、
一時のハーレークインを本棚から追い払おうとしています。
しかも、ある種のパターン化。

最近の典型は、
舞台はアメリカの田舎町。
主人公は30〜40代の女性。
な〜んとほとんどが離婚者。
子どもはあったりなかったり。
なんらかの仕事を持つ職業婦人。

その職業を巡って次々と起きる難事件を解決する、
っていうのだから、スーパーウーマンですよね。

しかも、毎回、この中の中年女性を巡る恋バナシが
ちりばめられているのだから、大満足。

巻末には、高田郁の『みをつくし、料理帖』(こっちがマネか)
のように、主人公の作る料理のレシピや
仕事のガイド集がついているというサービス付き。

ワンシリーズ見つけると、数ヶ月は楽しめます。
本書もその一つ。
創元社もの。おすすめです。


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